口を出されるのを嫌う建築現場
欠陥住宅をつくらせないためには、コミュニケーションが大切です。
でも、日本の建築現場では昔から、「現場のことはプロにすべてお任せ」という感覚が強いですよね。
現場側も素人である建築主に、いちいち口を出されるのを嫌うといった傾向があります。
そうした「お任せの体質」が施工ミスや手抜き工事を生む温床になっているのかもしれません。
古き良き時代は、現場の大工の棟梁(とうりょう)が顔見知りで、建築主に個人的な信頼関係が残っていた時代であれば、ミスはあっても手抜きはなかったと思います。
なるほど、建築は極めて専門的ですし、素人である建築主がお任せにしてしまいたい気持ちになることは当然のことです。
最近は、ネットの情報も建築主も知識があり、建築の重要な部分については、なんとかカバーできますが、こと現場の「収まり」など実務のことは、やはりカバーが出来ないのです。
でもあきらめないでください。
たとえ表面的であっても、そうした勉強をしたことは活かされるはずです。
実際に何度か現場を見たり、現場監督らと会話したりすることで、問題のある現場のちょっとした疑問点や違和感くらいは感じることができるかもしれません。
その疑問点や違和感について現場の方に質問していくだけでも、現場はミスや手抜きを許さない雰囲気になります。
現場に何度も行くことにより、もう一つ効果があります。
そうです。
現場で施工している方とのコミュニケーションにより、人間関係がよくなれば、相手も人間ですから、「この人の家だから、きちんとつくってあげよう。」となるはずです。
ミスや手抜きを完全に防ぐことはできないにしても、建築主が現場任せにせず、一定の勉強と手間をいとわず、現場とコミュニケーションを取っていくだけでもトラブル発生の確率はある程度、下げることができます。
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