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神戸不動産日記

耐震強度構造計算書偽装事件
2016年8月11日

耐震強度構造計算書偽装事件

いわゆる姉歯事件として有名な事件です。

ことの発端は、千葉の一級建築士が国土交通省認定の構造計算ソフトウェアの計算データを改ざんし、建築確認の申請、指定確認検査機関への検査を実施し承認を受けたのち、その設計により多数の賃貸マンションやホテルを建設した事件です。当時、姉歯氏の設計で建築すれば建築費が安くなると人気になり分譲マンションの販売会社から人気が高かったようです。そのため、建築された建物の棟数も多く、社会現象となりました。マスコミは、「殺人マンション」とネーミングし騒ぎ立てました。

当然、構造計算の改ざんは、有り得ないことです。それを見抜けなかった検査機関も問題かもしれません。

反面、当時は、震度5で倒壊すると言われていましたが、2011年3月11日の東日本大震災での姉歯氏設計による建物の倒壊は1棟もなかったようです。殺人マンションと揶揄されたマンションやホテルは、結果的にびくともしませんでした。

背景には、建築業界の不況による価格競争や北京オリンピックの影響で鉄などの価格高騰等がありました。

しかし、少しでも建築工事費の削減になるとしたら、それを下げようと努力する施工会社や不動産の販売会社が、設計士に相談することは現在も、どの現場でも行われています。

このことはVE(Value Engineering)と呼ばれます。VEとは、ヴァリュー(価値)をシステム化によりコストを抑え、且つその建物の価値を維持または向上させること。つまり、工夫でコストを下げながら、質は維持する、またはより質を高めるということです。

そもそも、構造計算の改ざんとVEは、区別しなければなりません。

それを理由にし、構造計算を改ざんしたことにより建築工事費を下げるのは許しがたい行為だと思います。

 

皆さんは、行政指定の検査機関を含め、建築のプロたちが何人も関係していてこのようなことが起きるのは、なぜだろう?と、不思議に思われるのではないでしょうか?

 

答えは、簡単です。

建築する現場に、施工会社と利害関係のない第3者の存在があれば、設計の矛盾を指摘出来たはずです。

建築のセカンドオピニオンの必要性を説くのは、こういった前例があるからです。

実は、姉歯事件よりもっと深刻な事件は、横浜市のマンション傾斜問題だと思うのですが・・・。

この傾斜問題については、次の機会に書きたいと思います。

 

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