2019年2月6日
相続人となる意外な人物
相続の事例を紹介したいと思います。
Aさんは、2人兄弟の長男、弟(Bさん)が1人います。
2人はとても仲の良い兄弟でした。
ある時、兄のAさんが50歳代で、若くして亡くなりました。
①Aさんは独身で子供はいません。
②祖父母は既に他界しています。
③Aさんの父親も数年前に他界しています。
Aさんには、第1順位の妻や子供がいないため、
Aさんの弟であるBさんは、当然、自分が相続するものと、手続きをすすめていました。
そこにストップが入りました。
そして、その時点でBさんに相続権がないことが判明しました。
実は、
Aさんの母親はAさんたちが幼いころに離婚して、Aさんたちとは、数十年の間、全く付き合いはなかった
のですが、今なお、ご健在でありました。
そのため、Aさんの母親が第2順位となり、この母親が、再婚して配偶者や子供がいなければ、
すべて相続することになってしまうのです。
Bさんが相続するためには、その母親や
もしかしたらいるかもしれない異父兄弟に相続権を放棄してもらう必要があります。
あなたなら、どうしますか?
①代理人を立てて、その母親や異父兄弟に相続してもらう
②母親と関わりたくないので、自分が相続をあきらめる
実際には、この例のBさんは、②を選択したそうです。
事前に分かっていれば、遺言書の作成や家族信託をしておけば、こういった事例は回避することが出来るのですが、
Aさんのように、若くして亡くなる場合は、予想もできなかったと思います。
兄弟仲が良かっただけに、Bさんの心情を思うと、何とも言えない理不尽さを感じます。