2019年1月26日
民法改正 ③遺留分
遺留分
今回の改正では、遺留分の正当性を明らかにするため、改正が行われました。
今までは、実際に遺言状が存在すると、故人の意志が尊重されます。そのため、遺留分に満たない財産しか相続できない相続人が当然出てきてしまいます。
遺留分とは、そもそも、どの相続人にも認められた最低限の取り分で、それは、法定相続分の半分にあたる額となります。
例えば、子の1人が親と仲が悪く、生前に勘当されていたとします。親は当然、「あの子には財産を渡したくない」と考えました。
そして、遺留分を大きく下回る財産しか受け取れない遺言状を作成したとします。
これまでは、遺言状に不備がなければ、ほかの相続人から遺言どおりの配分に同意を迫られてしまい、
まさにこれが原因で争族となってしまうケースが多くみられました。
故人の意志を優先するか、法律に沿って遺留分を保障するか、これまではあまり明確では、無かったことが原因でした。
対立して結論が出ないときは、確実に遺留分の履行を求める側が家庭裁判所に持ち込み、
調停や和解が成立しない限り、遺留分を獲得できませんでした。
今回の改正で、遺言状の中身がどうあれ、遺留分の確保が権利として認められました。
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