家を建てるときに不安なこと
家を建てる時に不安な事の一つは、「施工会社がちゃんと建ててくれるのか?」ではないでしょうか?日本の場合は施工と監理を一貫でする施工会社がほとんどです。つまり、建てる会社の工事を、その建てる会社がチェックするということです。自分の仕事を身内がチェックするするわけですから、その会社の基準やその担当者によってはチェックが甘くも厳しくもなるということです。
一貫施工にはメリットもあります。
例えば、一貫でする場合、設計費用や監理費用を取らなかったり、設計費用が非常に安価であったりする施工会社もあります。また、施工会社が施工図を作成する場合に、その基になる基本設計、実施設計した建築士との協議がなく期間を短縮できる等、メリットもあります。
私は、設計、監理と施工は分離したほうが良いと思いますが、大手のハウスメーカーやゼネコンで建てたい方は、やはり一貫施工で建てることになります。
その場合の不安解消の方法は、2つです。
1つ目は、その施工会社と利害関係のない中立な立場の建築士による監理をお願いする方法です。つまり、建築のセカンドオピニオンです。当然、あなたが依頼する建築士ですから施主であるあなたの利益を守ってくれます。
2つ目は、施工会社に現場の記録簿を作成してもらう事です。その記録簿には、施工工程の進捗、現場での収まりの記録、打ち合わせや協議内容の記録、施工に際しての試験成績等を記録してもらいます。併せて、工事の各施工段階における状況を撮影した工事写真帳を作成してもらうようにしてください。そして家が完成したら施工図と竣工図を提出してもらってください。
家を建てるのは人です。人ですからミスもします。そのミスが少なくなることであなたが安心に暮らせる家が建ちます。
因みに、建築士が設計する基本設計や実施設計だけでは、家は建ちません。それらを基に施工する会社が施工図を作成します。その施工図には各部の詳細な寸法が記載されています。施工図の出来不出来で家の良し悪しが決まると言っても過言ではありません。その施工図を基に建築するのですが、その現場の熟練した職人たちが収まりを考えて施工していく過程で、その施工図通りにはならないことがしばしば起こります。そこでその変更した工事内容を先述の現場記録簿に記録していくことが必要になってくるのです。
しかし、一般的には、木造建築の現場では、この記録簿の作成をしない施工会社が非常に多いのが残念です。
その結果、欠陥住宅となってしまうのも当然ではないでしょうか。
ある一級建築士から日本の建売住宅の7割以上の建物は欠陥住宅の可能性が高いと聞いたことがあります。
事実は分かりませんが、話半分でも怖い話です。
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