住宅建築コーディネーターの役割
家を建てる時に知っておきたい100のこと#12
家を建てるというのは多くの人は人生で一度きりです。
それは高額で長期のローンを抱えていく大きな買い物です。
だから、失敗してはいけないし、失敗させるわけにはいかないのです。
皆さんからよく言われることなんですが、住宅建築コーディネーターって何をしてくれるの?
建築コーディネーターに頼んで何のメリットがあるの?
施工会社から嫌がられるのでは?
そんな風に考えて当然ですよね。
でも、マイホームを建てようとするあなたは、「転ばぬ先の杖」を手にすることになるのです。
あなたが転ぶことの無いように杖となり、各専門家と共にお支えすることがお大きな役割なのです。
例えば、施工会社さんからすると、住宅建築コーディネーターが手配した
第三者の建築士が入ることで、施工途中にミスを指摘してくれることは、ありがたいことなんです。
その場で改善が出来れば、欠陥住宅になるのを防ぐことが出来ます。施工会社さんも適宜、チェックはするのですが、2重、3重に
チェックの目が多い方がミスを見つける可能性が上がるのです。
一旦、家が出来上がってしまって欠陥が見つかった場合は、取り返しがつかないからです。
逆に、ミスの少ない現場であれば、その施工会社の信頼は大きくなります。
一度、コーディネートさせていただき、施工された会社からは、完成後に住宅建築コーディネーターが間に入ってくれて良かったと言ってくれることが多いです。
なぜなら、施工会社とコーディネーターは敵ではなく、施主様の大切な家を安全に建てることは、同じ目的だからです。
住宅建築コーディネーターが入ることにより、チェックする建築士の手配が可能になります。
建築士も建築業界にいますので、多少、施工会社とのつながりはありますので、このセカンドオピニオンをしてくれる建築士が少ないのが現状です。
一般の方が直接、建築士に依頼しても、そのしがらみや費用の問題で引き受けてくれないのではないでしょうか?
その他、住宅建築コーディネーターは見積りのチェックを行います。
施工会社の方は建築コーディネーターがチェックして、見積金額を下げようとしているのでは?
とよく勘違いされるのですが、実は、違います。
確かに、見積もりの金額をチェックするというと最初から2割程度安くして持ってくる施工会社が多数です。
それは、施主からすると大きなメリットかもしれませんね。
目的は、別にあり追加工事や設備や仕様の変更に伴い、見積もり工事が増えたりすることがありますが、減ることがなく
合理的に見積もりが増減しているのかを見ることが、工事代金のトラブルをなくすことになるのです。
このように住宅建築コーディネーターは、中立な立場で、施主様の建てる住宅が安全、安心で適正な価格になるよう、必要な人材を集めるのが仕事です。
経済産業省の「住生活エージェント」の仕事のガイドラインが2006年に公表されました。
リフォームや新築住宅のトラブルが多発しており、住生活エージェントという専門的な知見を基礎として公正中立な立場から生活者の住環境の選択を支援する人材を育成しなければならないとその住生活エージェントを普及しています。
ガイドラインでは、「提供するサービス」 として
住生活エージェントは、様々な住環境選択の各検討段階において、専門的な知見を基礎として公正中立な立場からサービスを行う。とあり、そのサービスの内容は、こう書かれています。
住生活エージェントが提供するサービスの例
「住生活に関する情報の提供」「資金相談」「土地・事業者に関する相談」「土地の評価・紹介」「事業者の評価・紹介」「図面・見積チェック」「契約書類の確認・アドバイス」「施工品質チェック」「建物検査」「保証」「上記サービスのトータルコーディネート」
と書かれています。
経済産業省は、欠陥住宅やトラブルを防ぐには、中立な第三者の存在が必要と位置づけているのです。
これがまさに住生活エージェントである住宅建築コーディネーターの仕事です。
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