2019年1月26日
民法改正 ②特別寄与料の請求が可能に
民法に含まれる相続に関する規定(相続法)の改正案が、2018年の通常国会に提出されて成立し、2019年から順次施行されます。
相続に関する規定は40年ほど見直されておらず、社会の変化が進むなか、残された配偶者の権利保護など、実情を考慮しトラブルを防ぐ内容を盛り込み改正が行われました。
主な改正のポイントを解説します。
介護貢献度を寄与料として評価
親と同居していた長男の妻が介護で苦労したとしても、夫の取り分としては評価されても、相続人ではないため彼女自身の貢献度は評価されませんでした。
今回の改正により、相続権はありませんが「特別寄与料」という制度が創設され保護されます。
相続が発生した時点で、介護の貢献度に応じて相続人に対し請求できます。
法律上の相続権がない人でも、特別寄与料の請求が法的に認められます。
ただし、親族以外の第三者が介護に協力したとしても、この特別寄与料は認められません。
特別寄与料の請求先は義理の兄弟姉妹になります。
法律が改正されたとしても、義理の兄弟姉妹は、納得しないでしょう。
納得してもらえない場合は、家庭裁判所が提示している算式が参考となります。
家庭裁判所での寄与分の算定は、1日当たり8000円程度を目安に、介護した期間を掛けて算定しています。
ただし相続財産金額によって、特別寄与料の考え方も違ってきそうです。
実際には、家庭裁判所の基準に沿った受取額を受けとることが出来るのは、難しいケースも出てきそうです。
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