
その土地 家が建てられないかも
家を建てる時に知っておくこと#11 今回は建築基準法の1丁目1番地の話です。
建築業界や不動産業界の方は当たり前に知っていることですが、
一般の方は意外と知らない方が多いので、これを機会に知っておいてください。
できるだけ分かりやすく説明しようと思います。
家を建てようと土地を探していたら、古屋がある土地を見つけました。
不動産屋さんのチラシには「再建築不可」「建築不可」の文字。家があるのに、新しく家を建てることが出来ないというのは、なんだか不思議な話です。
再建築不可には色々、理由があるんですが、一番多いのが、これから書く「接道」に問題があるんじゃないかと思います。
新築や既存の家を増改築するとき、「建築基準法」という法律で決められた範囲で建物を建てることが出来ます。
その建築基準法では幅員4メートル(幅が4メートル)以上の道路に、敷地が2メートル以上接していなければ住宅を建てることが出来ない。と規定されています。
道は、公道でも私道でも大丈夫です。
でも昔の道は4メートル未満の土地が多いですよね。
公道でも、4メートル未満の細い道があります。
その4メートル未満に接する土地を売り出されることはよくあります。
その場合、4メートル未満の道を「4メートルあることにしよう。」
という考えで住宅を建てることが出来るようになっています。
それが「セットバック」という考え方です。将来、セットバックしながら家が建ち並んだとき、その道が4メート以上になるようにしよう。という規定です。
不動産屋さんがこういう道を「みなし道路」とか言いますよね。
他にも、この法律が建築基準法第42条第2項に書かれているので「2項道路」とも言われています。
今は」、新しく道を新設する場合も4メートル以上にしなければなりません。
ここまでは、大丈夫でしょうか?
通常は、行き止まりの道は道路と認められていませんが、
分譲地でよくみられる行き止まりの道も道路としてみなすことが出来ます。それが「位置指定道路」です。
なので、位置指定道路に接道していれば住宅を建てることが出来ます。
専用通路いわゆる「専通・せんつう」というのもあります。
4メートル道路に、2メートル以上接していなければ住宅は建てることが出来ないと敷地の奥の方に土地がある場合、住宅を建てたくても建てることが出来ません。
そこで4メートル以上の道路に2メートル以上の敷地を道の様にして奥の土地に伸ばして、建築することがあります。これを専用通路と言います。この道は、駐車場や自転車置き場にされていますよね。
「再建築不可」の土地は、この専用通路がないので、建築するためには、専用通路にするために、その部分の土地を購入する必要があるのです。
道路について、ご理解いただけましたでしょうか?
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